顔面神経麻痺に鍼灸は効果がある?回復を早める理由と施術の流れ
・顔面神経麻痺とは?基本情報
・鍼灸は顔面神経麻痺に効果があるのか?
・鍼灸が効果を発揮しやすいタイミング
・当院の顔面神経麻痺への鍼灸治療について
更新日 2025年06月22日
「朝起きたら顔が動かない」
「口元がうまく閉じられず、飲み物がこぼれてしまう」
そんな症状に突然見舞われ、不安な気持ちでご来院される方が多くいらっしゃいます。
顔面神経麻痺とは、顔の表情をつかさどる「顔面神経」がうまく働かなくなり、
まばたきができない・口角が下がる・額にシワが寄らないといった動きの障害が起こる状態のことをいいます。
多くの方が、「昨日まで普通に笑えていたのに…」「何も前触れがなかったのに…」と驚かれます。
実はこの症状、ウイルスや血流障害による神経の炎症が原因になることが多く、
とくにストレスや疲労がたまって免疫力が落ちているときに起こりやすいといわれています。
代表的なものには、
比較的軽度で自然回復しやすい 「ベル麻痺」
耳の痛みや水ぶくれ、めまいなどを伴いやすい 「ラムゼイ・ハント症候群」
などがあり、どちらも早期に対処することが非常に重要です。
症状が出たときは、まず耳鼻科や神経内科などの
医療機関での診察と検査が最優先になります。
特に発症から48時間以内にステロイドや抗ウイルス薬を始められるかどうかが、
回復に大きく影響します。
そのうえで、
「もっと早く回復したい」
「薬だけでは不安」
「後遺症を残したくない」
そんな思いを抱いた方の
回復をサポートする手段のひとつが、鍼灸です。
鍼灸は、神経の回復を促し、筋肉のこわばりや左右バランスを整える働きがあり、
特に発症後の回復期や後遺症のケアとして、高い効果を期待することができます。
東洋医学では、顔面神経麻痺のような症状を
「風(ふう)」や「寒(かん)」といった
自然界の影響によって、体の“気”や“血”の流れが乱れた状態ととらえます。
特に、顔面部は“陽”の気が集まりやすく、
外からの風や冷えに弱い部位とされており、
疲労やストレスで体のバリア機能(=衛気)が
弱ったときに、邪気が入り込みやすくなると考えられています。
その結果、
気血が詰まって神経や筋肉の働きが鈍くなり、
顔面の動きが制限されると解釈します。
鍼灸では、滞っている流れを整え、体の内側から回復を助ける働きを引き出していきます。
現代医学の視点からも、鍼灸には
神経の回復を促進する効果が期待されています。
具体的には、
血流の改善によって
炎症でむくんだ神経周囲の圧迫を軽減
微細な鍼刺激が
神経の再生や可塑性(柔軟な変化)を活性化
筋肉への適切な刺激によって
動きや感覚のバランスを整える
といった作用があり
神経系のリハビリを助ける「機能的刺激」として注目されています。
また、顔だけでなく
首・肩・背中など、
神経の流れに関係する部位も同時に整えることで、
全体の回復を後押しできます。
鍼灸は、「薬や手術の代わり」ではありません。
むしろ、西洋医学による診断と治療を受けたうえで、
“補助的に併用することで効果を高める手段”です。
たとえば、
病院でステロイドや抗ウイルス薬を服用しながら
鍼灸で神経の回復スピードを高める
症状が安定してきた後に
鍼灸で筋肉のこわばりや左右差を整える
長引く不快感やストレスを
鍼灸で自律神経ごと整える
こういった活用法によって、「薬+鍼灸」「病院+東洋医学」が
相互に作用し合い、
より安心で確実な回復を目指すことができます。
発症からすぐの時期は、
顔面神経に炎症やむくみが起きている状態です。
このタイミングでの鍼灸は、刺激を最小限に抑えつつ、
血流をやさしく整えることで炎症の悪化を防ぎ、
自然な回復力を支える目的で行います。
※ただし、発症から間もない方は、
まず病院での診断が最優先です。
鍼灸は病院治療と並行して行う補助療法
として最適な位置づけになります。
数日〜数週間が経ち、「少しずつ顔が動くようになってきた」という時期。
この段階では、神経が再生しはじめており、
適切な刺激で“正しい動き方”をサポートすることが大切です。
鍼灸では、
バランスの悪い筋肉をゆるめる
回復が遅れている部位に活性化刺激を加える
首・頭・背中など全体の連動を整える
といった施術によって、
スムーズな回復と、後遺症の予防につなげることが可能です。
「見た目は治ったけど、笑うと引きつる」「顔の感覚が鈍い気がする」
こういった後遺症に悩まれる方も少なくありません。
鍼灸では、回復期以降も、
筋肉のこわばりや左右差の調整
硬くなった表情筋の弾力回復
自律神経の安定による再発予防
といった観点から施術を行い、
より自然でなめらかな表情の回復をサポートします。
顔面神経麻痺の改善には、「治る症状なのか」「慎重に経過を見るべき症状なのか」を見極めることが非常に重要です。
そのため、初回の問診では、顔の動きや感覚の状態を細かくチェックさせていただきます。
特に以下の点を重視しています:
どの筋肉がどの程度動いているか
表情を作るときに不自然な連動がないか
しびれや痛みがあるかどうか
発症直後の急性期ではないかの確認
また、鍼灸では「顔だけ」ではなく、
体全体の状態も診ていくのが大きな特長です。
実は、首の位置や姿勢、背中や肩の緊張状態も、
顔面神経の働きに密接に関係しています。
そのため、顔の症状を中心に見ながらも、
首の動き・姿勢のバランス・神経の通り道にある詰まりや痛みなども合わせて確認し、
体全体の回復力を高めることを目的に、丁寧な問診と検査を行っています。
当院では、鍼治療を中心とした施術を行います。
鍼の種類(太さ)、深さ、必要に応じた電気刺激(パルス)の有無などは、
症状の重さ・体質・過敏性を確認したうえで判断し、個別に調整しています。
特に鍼治療が初めての方には、
「怖くない」「痛くない」と感じていただけるよう、
非常に細い鍼を使い、やさしい刺激から始めて慣れていただくよう心がけています。
施術部位については人それぞれ異なりますが、共通して:
顔面神経の出口である
耳の後ろ・側頭部・あごの筋肉
神経の通り道に関係する
首や肩まわりの筋肉やツボ
など、顔と神経に深く関わる部位へのアプローチを行い、
神経の流れ・筋肉の動き・血流の改善を目指します。
施術だけで終わるのではなく、
その後のセルフケアや通院ペースの設計も重要な治療の一部
だと考えています。
施術後は、ご本人にも以下のようなご提案をいたします:
ご自身でできるマッサージや温熱ケアの方法
表情筋や首回りのリハビリ方法(動画や印刷資料で説明可)
日常生活で避けたほうが良いこと(冷え・過労・姿勢の偏り など)
また、症状によっては
数ヶ月〜半年以上の経過が必要となるケースもあります。
その場合、毎日の治療よりも
「体の変化が起こるサイクル(週1〜月2回など)」を見ながら、
その人に合ったペースで無理なく継続する方法をご提案します。
通院が負担にならないよう、
「よくなるための最適な距離感」を一緒に考えながら進めていきます。
当院では、患者さまのご都合に合わせて複数の予約方法をご用意しています。
✅ 当院公式ホームページの予約フォーム
✅ ホットペッパービューティー(ポイント利用もOK)
✅ 公式LINE(簡単にメッセージ予約できます)
✅ お電話(初めての方も安心です)
ご希望の方法で、お気軽にご予約ください。
症状に関するご相談や、施術内容に不安がある方も、事前にお問い合わせいただければ丁寧にご案内いたします。
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