2. 筋肉の緊張
肩や首周りの筋肉が緊張することで、血行が悪くなり、頭痛が引き起こされます。
特に長時間のデスクワークや悪い姿勢が原因になります。
筋肉の緊張によって起こる頭痛と関わる筋肉の仕組み
この緊張型頭痛には、首や肩、頭部周辺の筋肉が深く関係しています。これらの筋肉が硬くなることで血流が悪化し、痛みや違和感が生じます。
緊張型頭痛に関わる代表的な筋肉を一つずつ、どのように頭痛を引き起こすのかを具体的に説明します。ご自身のお身体と見比べてみてください。
1. 後頭筋(こうとうきん)
後頭筋は、頭蓋骨の後ろ側に位置する筋肉で、首の動きや頭を支える役割を担っています。この筋肉が硬くなると、頭の付け根がズーンと重くなり、後頭部の痛みを引き起こします。
イメージするなら「帽子のゴムバンド」のようなものです。このゴムバンドが引っ張られたり緩んだりすると、帽子がきつく感じるように、後頭筋の緊張が頭痛の原因になります。
2. 側頭筋(そくとうきん)
側頭筋は、側頭部(こめかみ)に広がる筋肉です。この筋肉は顎を動かすときに大きく働きますが、ストレスや歯を食いしばる癖が続くと緊張し、こめかみがズキズキと痛むことがあります。側頭筋は「ピザの生地」に例えるとわかりやすいでしょう。生地が引っ張られて硬くなると、全体が広がり圧迫感を生じるように、この筋肉の緊張が頭痛を招きます。
3. 僧帽筋(そうぼうきん)
僧帽筋は、首から肩、背中にかけて広がる大きな筋肉で、肩を上げたり首を支えたりする重要な役割を持っています。デスクワークや重い荷物を持つことで、この筋肉が硬直すると、肩こりから頭痛へとつながります。僧帽筋は「リュックのストラップ」のようなもので、重い荷物を長時間背負っているとストラップが食い込むように、僧帽筋の緊張が肩や首、さらには頭痛を引き起こします。
4. 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
胸鎖乳突筋は、耳の下から鎖骨まで伸びる首の側面にある筋肉です。首を傾けたり回したりする動きに関与しますが、長時間同じ姿勢で過ごすとこの筋肉が硬直し、首から頭にかけて痛みを感じることがあります。胸鎖乳突筋は「電話線」のように肩に電話を挟んで長時間話すと、線がねじれるように筋肉が緊張し、頭痛が発生します。
5. 前頭筋(ぜんとうきん)
前頭筋は、額(ひたい)の部分にある筋肉で、表情を作る際に使われます。長時間の集中やストレスにより、この筋肉が硬くなるとおでこに圧迫感が生じ、前頭部の頭痛につながります。前頭筋は「おでこに巻いたヘアバンド」のようです。きついヘアバンドが締め付けると、圧迫感で不快になるように、この筋肉が緊張すると痛みを引き起こします。
6. 半棘筋(はんきょくきん)
半棘筋は、首から背中にかけて位置する筋肉で、頭を起こしたり傾けたりする動きを支えます。この筋肉が硬くなると、首筋から頭にかけて鈍い痛みが走ります。半棘筋は「旗を支えるポール」に例えられます。ポールが傾くと旗が不安定になるように、半棘筋が緊張すると首と頭のバランスが崩れ、頭痛が発生します。
7. 頭板状筋(とうばんじょうきん)
頭板状筋は、首の後ろから頭の付け根にかけて広がる筋肉で、首を後ろに反らしたり左右に動かしたりする動きに関係します。この筋肉が硬くなると首の動きが制限され、頭の付け根に重さを感じます。頭板状筋は「ペン立て」に例えられます。ペン立てが倒れるとペンが安定しないように、この筋肉の硬直は頭全体の痛みを引き起こします。
8. 小後頭直筋(しょうこうとうちょくきん)
小後頭直筋は、首の後ろから後頭部に付着する小さな筋肉ですが、首の細かな動きや頭の安定に深く関わっています。この筋肉が緊張すると後頭部の重さや痛みが生じます。小後頭直筋は「小さなピアノのペダル」に例えられます。この小さな部分が緊張すると全体のバランスに影響し、頭痛の原因となります。